2012年8月17日金曜日

AIDA、AISAS、そしてSIPSへ

先般、ソーシャルメディア時代のマーケティングとして、Zuberanceによるソーシャルメディアプラットフォームに 軽く触れたが、類似した考えを消費者行動モデルとして電通モダン・コミュニケーション・ラボがまとめている(SIPS)ので、整理しておく。


ご存じのとおりこれまで消費者行動については、AIDAやAIDMAの枠組みによって認知(Cognition)段階、感情(Affect)段階、そして行動(Behavior)段階への移行として捉えられてきた。


インターネット時代への移行とともに、電通は2004年にAISASというモデルを提唱した。「Attention(気づく)⇒Interest(興味をもつ)⇒Search(情報収集する)⇒Action(購入する)⇒Share(情報共有する)」


そして、2011年、ソーシャルメディア時代に対応した消費者行動モデルとして、SIPSが電通から提唱された。「Sympathize(共感する)⇒ Identify(確認する)⇒Participate(参加する)⇒Share & Spread(共有・拡散する)」


(実際に機能する)情報の波及ルートが、マスメディアに代わって影響力を有するようになったアルファブロガーなどのInfluencerによる一方的な情報伝播から、「受信者=発信者」が共感を媒体につながる、双方向の情報伝播に移り変わってきているということである。個人的には、電通はSIPSの循環という観点によりフォーカスしているのに対して、Zuberanceは情報が共感され、共有されていくはじめの一歩、Brand Advocatesの発掘と活用にフォーカスしているように感じる。ちなみに、Brand Advocatesはブランドへの信奉心が強く、寛容であり、ビジネスへの貢献度が高く、数が多く、金銭的なインセンティブが不要という諸点において、Influencerとは異なるものである。


なお、Zuberanceの創設者兼代表であるRob Fugetta氏の著書”Brand Advocates”の第一章が無料で公開されており、こちらも参考になるであろう。その中にアメリカにおいてレクサスのある店舗がレクサスブランドの信奉者となった顧客からの販売協力を無視してしまうという失敗例が紹介されているが、レクサスのような高所得層をターゲットとしている商品に関して、そうした階層内での口コミ(WOM)の影響力をレクサス販売店が知らないわけはなく、何か誤解があるような気がする。

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