HBR Blog Networkに掲載された"Three Things Your Company Can Learn from a Bottle of Water"では、他社との差別化に成功したシンプルなアイデアを三つ例示し、単純で些細なアイデアを生み出すことの困難さの背景に、「複雑化の罠」があることを示している(複雑化しているものとして、会社自体やそのルーティーンワークが想定されている。)。
サービス業が念頭に、解決策として、(状況を最もよく把握している)現場への権限移譲が挙げられ、以下の具体的な取り組みが提示されている。
1)シンプルな目標の設定と責任者の明確化
2)現場における物事のシンプル化のための支援ツールの開発
3)ベストプラクティスを共有するためのプラットフォームの構築
個人的に特に参考になったのが、シンプルな目標の例として挙げられている、アメリカのレンタカー会社(Enterprise)が考案したEnterprise Service Quality index (ESQi)である。これは、顧客満足度調査において「大変満足」と回答があった数を全回答数で割っただけのシンプルな指標だ。だが、そのシンプルさ故に、顧客からの回答率が高く、またサービスのリピート率の向上に貢献している。なぜならリピート率という観点からは「大変満足」と「満足」の間に相当の差が見られるからである。
日本におけるESQiとリピート率との相関関係について、検証の余地はあるが、リターンに結びつくシンプルな定量的指標として有用であるように思われる。
0 件のコメント:
コメントを投稿