2012年11月6日火曜日

巨大かつ俊敏な組織のつくり方

HBR Blog Networkの”Can Bigger Be Faster?” by Mark Boncheck and Chris Fussellは、自然界においてはトレードオフの関係にある規模とスピードを、組織が同時に達成する方法についてまとめている。


Geoffery West: The surprising math of cities and corporations“に依拠しつつ、生物界と都市を対比させ、ネットワークにより規模とスピードを同時に達成することが可能となるとしている。都市、コミュニティ、フェイスブックやツイッターのようなバーチャルなコミュニティは脳と同様に、規模が大きくなるほど変化に富み、創造的になるという特徴を有している。


そして、残念ながら現代の企業はそのトレードオフから抜け出せていないが、組織をネットワークとして再認識することにより変化できるとして(お手本として、9.11を契機にネットワークに取り組んだアメリカ軍が挙げられている。)、そのための4つの戦略を提示している。

(1)関係の構築
通常、企業内の各個人はその上司、同僚、直属の部下といった関係しか形成していないが、まずはより多くの関係(特にこれまで組織間の繋がりがなかった部分において)を構築することから取り掛かる必要がある。

(2)目的の共有 
合意、そして目的を共有しているという意識を形成することにより、協働が可能となる。

(3)意識の共有 
現在地と目的地を認識し、また共有することで、迅速かつ効果的な行動をとることができる人間に情報が提供されるようになる。

(4)反対(多様性)の促進 
服従ではなく多様性に適合するにより、集団思考、イノベーション、組織的頑健性を生み出す。


この投稿では、フォーマルな組織の中でのネットワークがテーマとなっているが、定型的業務、組織的階層に基づく関係に比べて、より広範囲かつ関連性の薄いノード間でコネクションを構築、維持するにはかなりのコストがかかる。そのため、現実のところ、その多くはインフォーマルな関係として成り立っているのではないだろうか。

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