2012年11月24日土曜日

イノベーション・パフォーマンスの高め方

HBR Blog Networkの”Solving Your Biggest Innovation Challenge” by Martia Capozzi and Ari Kellenによれば、競争環境を変えてしまうようなイノベーションは、顧客、従業員、株主の誰にとっても好ましいものであるが、大企業にとっては困難な課題である。そこで、代わりに"innovation at scale"(コアビジネスに立脚した上で、新たな製品、サービス、ビジネスモデルによる、反復可能で持続可能な有機的成長を成し遂げること)が推奨されている。

このアプローチも決して簡単なものではないが(調査では6%の企業しか継続的にこうした取組を行っていない。)、全く新しい市場を開拓するよりは手掛けやすいものである。"innovation at scale"を成し遂げるのに必要な要素は以下のとおりである。

1.戦略面
まずは、自己の保有する資産、能力、そして成功をもたらす要素を深く理解する必要がある。戦略が重要であるのは、それがイノベーションを促進するのに必要な構想や焦点を形成するからである。それによって、単にイノベーションに取り掛かるよりも(従業員が)積極的にリスクを取れるようになる。

2.組織面
· イノベーションは小事ではない。
イノベーションを戦略的な計画策定、予算付け、資源配分に統合している企業は、目標を達成しやすい。リーダーシップ(特に経営幹部のリーダーシップ)はイノベーションの成果と密接に関連している。

· オープンで居続ける。
顧客、従業員、その他の利害関係者のアイデアを活用するため、多くの企業がオープンイノベーションの考えを取り入れているが、取り組むべき諸アイデアが定まると、その取り組みは直線的なものとなってしまいがちである。市場動向に留意しつつ、迅速なイノベーションに臨むことで、アイデアをさらに洗練させていくことができる。

· 実行に適した体制を構築する。
組織設計(イノベーションセンター、インキュベーター、研究所)とイノベーションとの間にはっきりとした相関関係を見つけることが難しいが、少なくとも人材を結びつけ、資源を配分し、進捗を把握するという意味では有益である。

· 人材を厳選する。
ボランティアによるプロジェクトの成果は、役割に応じて選出された人材によるプロジェクトのそれを下回る傾向がある。意欲は重要であるが、それでは必要な専門知識と能力を代替できない。

"innovation at scale"
http://ecorner.stanford.edu/authorMaterialInfo.html?mid=2798

0 件のコメント:

コメントを投稿