ネットワーク化された現代において、企業は製品ではなく、そのプラットフォームを巡って競争を繰り広げている。デジタルプラットフォームを形成することで、他社のビジネスを容易に惹きつけ、結びつかせ、製品やサービスを提供させ、そして価値を共創するのである(プラットフォーム思考:物的アプローチ(課題解決のため、どのようにしてより多くの物を創り上げるか。)、最適化アプローチ(既に創り上げた物をどのようにして最も無駄の少ない形で配分するか。)、プラットフォームアプローチ(物の再定義を行い、新しい課題方法を模索する。))。
例えば、かつてフィーチャーフォンで成功していたノキアとブラックベリーは、スマートフォン市場においてアップルとアンドロイドがそれぞれ形成したエコシステムに敗北した。それは、特徴や機能ではなく、アプリストア(外部のディベロッパーが価値をもたらしてくれる。)に起因するものである。マイクロソフトも技術的に優れた携帯を開発したが、成功のカギはプラットフォームの形成にある。
このプラットフォーム思考は技術系セクターだけでなく、小売りセクターにも適用でき、オンラインリテールのeBay、Etsy、そしてAmazonがその先頭を走っている。JC Penney(プラットフォーム)も他社が経営するブティック(アプリ)の出店に注力している。また、Nikeもデジタルスポーツグッズで成功し、Nike+ Accelerator を使って、Nike+というプラットフォームの確立を図っている。
こうしたプラットフォームの隆盛はクラウド、ソーシャル、モバイルといった技術を原動力としている。誰もがいつでもどこでも簡単にコンテンツを創り、共有できるようになっているのである。また、最近のプラットフォームはプッシュ型ではなく、プル型であり、もちろん一定の規模を獲得した時点からネットワーク効果の恩恵を強く享受するようになる。
プラットフォーム戦略の成否は、以下の3つのファクターとそれに対応する3つの道具によって決定づけられる。
· コネクション:プラットフォームへの参加の容易さ(←ツールボックス(参加を容易にする支援ツールの提供))
· グラビティ(重力):需給双方の参加者にとってのプラットフォームの魅力(←マグネット(インセンティブ、レピュテーション、プライシングに関わるシステムの緻密な設定))
· フロー:プラットフォームによる交換や価値の共創の促進度合(←マッチメイカー(参加者の豊富なデータを活用した協働支援))
これら3つの道具に係るポートフォリオはそれぞれの企業によって異なる。アマゾンはツールボックス、イーベイはマグネットとマッチメイカー、そしてフェイスブックはツールボックスとマグネットにフォーカスしている。
0 件のコメント:
コメントを投稿