2013年3月24日日曜日

企業のイノベーション力を測定する

HBR Blog Networkの”How To Really Measure a Company's Innovation Prowess” by Scott Anthonyの抄訳。


世界で最も革新的な会社をランキング化しようとしても、意見の違いが出てくる。それは、企業のイノベーション創出力は長続きしないこと、企業のイノベーション機関が上手く機能しているかを伝えることが困難であること、などによる。そして、そもそも「イノベーション」を測定するというは曖昧な行為であり、イノベーションの測定単位について明確なコンセンサスは存在していないが、以下のような測定への取り組みも存在する。

ROII (Return on Innovation Investment)=(イノベーションによってもたらされた利益やキャッシュ·フロー)/(イノベーションへの累積投資額)
*過去の投資の成果、またこれから行う投資の期待値を測定するのにも用いることができる。

1920年代にデュポンがROEを3つに分解することで、より詳細に株主資本収益率を分析したように、ROIIも以下のとおり分解できる。

ROE(株主資本利益率):
· 収益性(売上高に対する当期純利益)
· オペレーション効率(資産に対する売上高)
· 財務レバレッジ(資産に対する自己資本)

ROII(イノベーション投資利益率):
· イノベーションの規模(=財務的成果/成功アイデア数)
· イノベーションの成功率(=成功アイデア数/創出アイデア数)
· イノベーションの投資効率(=創出アイデア数/(総資本+オペレーション投資額)

課題としては、数値の恣意性、共通定義と利用可能な統計の欠如が、ベンチマークを困難にしていることが挙げられる。

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