HBR Blog Networkの”The Big Challenge of American Small Talk” by Andy Molinskyの抄訳。
自分がドイツ企業のアメリカ子会社@シカゴにマネージャーとして赴任してきたとしよう。会議の合間に郵便物を受け取りに行ったり、コーヒーブレイクを取ったりする際、「よー、デイビッド。調子はどうだい?」とシニアパートナーに声を掛けられ、「いいよ。ありがとう。グリア博士。」とあなたは応える。
上司との良い関係を構築する絶好の機会であるが、何か上司に話す適切な話題はないかと考えているうちにアメリカ人の同僚が割り込んでくる、ざっくばらんな感じで。「ところで、アーノルド。スパーボールの予想を聴かせてよ。ナイナーズのファンですよね。UCバークリーのMBA卒でしたよね。」
この後も会話は続いていくが、あなたはコーヒーを持って自分のデスクにすごすごと戻っていく。あなたはアメリカにおいてはスモールトーク(世間話)がとても重要であることを知っており、またそれを自然に上手にこなす同僚に嫉妬さえ感じる。
アメリカの文化のなかでスモールトークが果たす役割は決して小さくない。技術的に最も優れていたとしても、アメリカで出世していくには、良い職場関係を構築し、維持していくことがとても重要になる。そして、そのために最も重要なスキルがスモールトークなのである。採用面接や取引、会議などのフォーマルな場面、エレベーターや地下鉄のホームでの上司との鉢合わせ、会社のイベントで隣同士になった同僚とのおしゃべり、全てにおいて人間関係構築のために必要となってくる。
だが、たとえば冒頭の会話のように、アメリカ人が他人に調子を尋ねてくるとき、それはあくまで礼儀としての挨拶みたいなもので、実際のところ、ちゃんとした回答を求めているわけではないし、そうした回答はこの場面では適切とは言えない。
それでは、異文化出身者はどのように対応していけばいいのか。
1.自分自身のアメリカンスタイルなスモールトークを構築する
周囲のスモールトークから、話題、トーン、話し言葉とジェスチャーなどを観察し、自分に合ったようにアレンジした上で身につけていく。
2.アメリカのスモールトークに対して、文化的な見地から敬意を払う
あなたが自身の文化的価値観からアメリカのスモールトークを表層的なもの、関係ないし、必要ないと感じているとしても。
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