2012年11月15日木曜日

リベートから学ぶ差別的価格政策の重要性

HBR Blog Networkの”Why Rebates Encourage Tax Evasion” by Rafi Mohammedでは、リベートを例に、差別的価格政策の重要性について説明している。


典型的には、差別的価格政策(顧客ごとに異なる価格を課す戦略)の一形態として用いられる。目を引くような割引価格を、「リベート後」という小さな注意書き付きで大きく宣伝したりするのである。リベートを受け取るためには、応募し、手続きを待ち、リベートチェックを現金化するという作業(時間と労力の手間)が必要であり、価格に敏感な顧客を特定するのに役立つ。また、実際に換金するのは、平均的に対象者の50%に過ぎないというデータもあり、実施的に差別的価格政策としての役割を果たすこととなる。

これに加えて、節税・脱税といった観点から、リベートは購入者に好まれたりもする(小売業者としてそういった行為を推奨しないとしても)。たとえ最終的に負担する額が1ドルだとしても、リベートを受け取る前に5ドル支払っていれば、その額でレシートが発行されるため、法人税の申告に際して、容易に控除することができてしまう。特に、消耗品を継続的に大量購入するような企業に対して大きな意味を持ち得る。

全てのビジネスに共通する教訓は、異なるセグメントの顧客には異なる価格付けを行う必要があるということである。利益と成長を実現するためには、可能な限り詳細にセグメンテーションを行い、それに対応した価格付けを行うことが重要である。


差別価格については、経済学で独占的企業が国毎に異なる需要曲線を踏まえ、異なる価格設定を行い、利益を最大化するという話がすぐに思い浮かぶが、現在では、ネット経由の購買であれば、各人の選好を反映した価格付けや時間に応じて価格を変化させることも容易にできる。

ただ、リベートの利点は、必ずしも換金されないという点にある。換金に係る手間を考慮すると、確かにリベートが購買意思決定に及ぼす効果は値引きに比べて小さくなるが、50%という換金率は通常の値引きに比べて費用を半減させた上で、その効果を享受できるということを示しており、魅力的であることは間違いない。

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