HBR Blog Networkの”Change Consumer Behavior with These Five Levers” by Keith Weedによれば、 環境負荷を低減させようとしている消費財メーカーは、自らがコントロール可能なプロセス(生産、流通等)よりも多くのインパクトが、直接的にはコントロールできない、消費者の利用過程からもたらされているという課題に直面している。
そこで、ユニリーバによる持続可能な生活計画の成功をもとに、ブランドを活用して消費者の行動を変化させることにより、製品のライフサイクルを通じての環境貢献を果たす5つの手段についてまとめている。
1. 理解してもらう
人々に自らの行動とその影響について気づき、受け入れてもらう。
ユニリーバは、手に付いている目に見えない細菌が自分たちの石けんを使用した後に無くなっている様子をCMで流している。
2. 容易にする
人々に促す行動について知ってもらい、それに自信を持ってもらい、そして自分の生活様式に適合していると理解してもらう。
ユニリーバは、手で洗濯を行う、水へのアクセスに限界がある人々に柔軟剤を普及させるため、すすぎがバケツ一杯の水で済むということを、実演やサンプルの配布で理解させていった。
3. 望ましいものにする
新しい行動が、人々の現実のまたは望むセルフイメージに適合するようにする。
幼児の死亡率を低下という観点で言えば、母親たちの良い母親になりたい、またはそのように見られたいという願望が、ユニリーバの石けんを利用することで満たされるようにした。
4. 報いられるようにする
正しい行動をとることが報いられることを知ってもらう。
ユニリーバは、シャンプーを泡立て、髪につけている間、シャワーを止めることで、光熱水費が節約できることを啓蒙している。
5. 習慣づける
一度新しい行動を取ってもらったら、それを無意識に続けてもらうよう、再強化、再認識させていく。
ユニリーバは、その手洗いキャンペーンを少なくとも21日間以上実施している。
ユニリーバの取組は、幼児の死亡率、人々の衛生管理等の社会的問題を事業を通じて、持続可能なかたちで解決できることを示している。ソーシャルアントレプレナーと同様のことは既存企業にも実施可能であり、それによってまたビジネスチャンスも広がり得るということである。そして、そのためにはブランドを活用して消費者の意識に働きかけることが万能ではないにせよ、効果的であるということである。
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