GEヘルスケアにおいてMRI装置を担当していたDoug Dietzは、病院を訪れた際、MRI装置に入るのに脅え、泣いている子を見て、「目立つ箇所、新機能、自分たちがどれだけ賢いかに捉われ過ぎて、全体像を見失っていた。」と気づき、それから小児患者のMRI経験の改善に取り組むようになった。
上司に相談したり、スタンフォード大学のd.schoolを受講したりした後、Dietzは子ども博物館の小児学習の専門家や地元小児病院のチャイルド・ライフ・スペシャリストを含むボランティアで、小さなチームを作り、子どもたちがどのようにMRIを体験しているか、総体的な検討が始まった。
そして、複雑な機械の内部には変更を加えずに、MRI室までをも含む外部全体を、宇宙への旅、海賊船の航海を連想させるようなカラフルなステッカーで飾るようにした。また、MRI室のオペレーターが子どもたちを誘えるように想像的な原稿も用意したりした。
これらの単純な変更が大きな変化をもたらし、小児患者への鎮静剤使用量の減少、家族の満足度の大幅な改善といった成果が上がった。また、この手法はCT、PAT、X線を使う際にも用いられ、同様の成果が上がった。そして、Dietzにとっての本当の成功の証は、また来たいという子どもの声を聴いた時であった。
Dietzの行動から見えてきた、クリエイティブになる上で恐れてはいけない四事項は以下のとおりである。
- デスクを離れ、現場で直に気づきを得ていくことで、まだ整理されていない未知のものに挑戦する。
- 成功させるため再考したいと思った時も、上司の査定など周囲の評価を気にせずに取り組む。
- 社外人材巻き込むとき、コントロールが及ばなくなることを受け入れる。
- 即座に第一歩を踏み出す。
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