2012年10月7日日曜日

ビジネスプランの意味とポイント

HBR Blog Network の“Heart, Smarts, Guts, and Luck”で紹介されている、成功したアントレプレナーへのアンケート結果によれば、その70%が、起業時にビジネスプランを作成していなかったという。彼らのビジネスは文書ではなく、感覚的なものから始まっている。


このことは、文書が全てダメだと言っている訳ではなく、完璧なビジネスプランを書こうとすることによって、「概ね正しい」というよりは「微妙に間違っている」ようになってしまうという背景がある。これは、一般的にビジネスプランで詳細に語られる内容(潜在的な巨大市場など)が、事業を行う上で現実的に対応すべきことと乖離しているからである。


創業当初は資源も限られており、ビジネスプランにとって最も重要なのは事業コンセプトが正しいか否かを継続的に観察できる現実のデータとなる。そして、これはスタートアップだけではなく、どんなビジネスにも戦略的な観点から必要なことである。これはヘンリー・ミンツバーグの創発的戦略(emergent strategy:まず戦略があってそれが実行されるという一般的な考え方と異なり、ミッション、目標、客観的指標などを意図せずに実行され、それから結果として実現される戦略という捉え方)に共通するものである。


ビジネスプランに過度に捉われる必要はないが、自らの思考を方向付け、有望な投資家を引き寄せ、チームを上手く連携させていくには、以下のポイントを設計時に考えておく必要がある。

(1)自分の思いと目的を特定し、明確に述べる。

(2)どんなビジネスアイデアやプランよりもチームが重要である。

(3)大きく考え、小さく始め、速く成功若しくは失敗する。

(4)市場をそのまま捉えるのではなく、しっかりと定義づけしたセグメントやニッチに集中する。

(5)自らのビジネスモデルを理解する。

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