昨日取り上げた"Made in America, Again”の書き手の一人(Hal Sirkin)が、リショアリングを促進するために政府が為すべき7つの対応を提言している(“Manufacturing in America”)。正直、目新しい提案はないが、見落としてはいけないポイントとしての意味もあろうことから、残しておく。
1. 租税政策をアウトソーシング指向からインソーシング指向へ(国内の雇用創出と国内への資金還流に対する税額控除)
2. 中国との競争環境の同等化(貿易協定違反、知的財産権の侵害、統制的な通貨政策への対応)
3. 人材の確保と育成(6か月限定のグリーンカード発行による外国人留学生の囲い込み、新規または拡張した工場におけるジョブトレーニングへの補助金支給、職業訓練学校の創設)
4. 十分な成果ももたらさずに、競争力を低下させている規制の見直し
5. 産業クラスターの形成支援(競合する企業、サプライヤー、学校、人材を集積させることにより、競争に勝つためのエコシステムを構築)
6. 海外製造業の国内誘致(最大の国内市場、先進国としては安価な労働力を呼び水に)
7. 立地選択における思い込みや印象の排除(厳格なコスト計算に基づいた、工場等の立地選択)
個人的には、国内生産を維持したまま、同じ産業で生産コストの低い国々と競争するのは困難であると考えている。グローバリゼーションが進み、国家間の垣根が低くなっていく中、他国よりも良い生活水準を維持しようと思えば、それに見合った付加価値を産業の高度化、新産業の創出等により生み出していく以外に道はない。築き上げてきたストックをどのようにして有効活用するかという視点もあるが。
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