2012年8月27日月曜日

ノキアの今後 アップル対サムスン特許権侵害訴訟の陰で

以前、”Nokia’s downfall”において、スマートフォン市場におけるノキアの現状と今後について簡単に考えをまとめたが、今回のアップル対サムスン事件の判決により、少しだが、状況が変わってくるかもしれない。


Ewan Spenceが”In The Apple vs Samsung Decision, The Real Winner is Microsoft’s Windows Phone”で述べているように、今回の訴訟はアップル(iOS)とグーグル(アンドロイドOS)の代理戦争であったわけであるが、サムスン敗訴の結果、アンドロイド陣営の各社にはアップルとの特許紛争という不安要素が拡大した一方、iPhoneとは大きく異なるUser InterfaceとなるWindows Phoneを推し進めるマイクロソフトとの提携に踏み切ったノキアにとっては無縁の話であり、ライバルがその対応に追われる中、ちょっとしたチャンスとなる。


というわけで、今回の判決はウィンドウズ・ノキア連合にとって朗報であったわけだが、ノキアの足元の状況はかなり厳しい。IDCの調査によれば、2012年第二四半期のスマートフォン市場におけるノキアのシェアは6.6%と前年同期比半分以下だ。Windows Phone向けの端末であるLuminaの出荷を前期比倍増させているが、シンビアンOS端末が失っている売り上げを補うには程遠い。


話は変わるが、The Economistの”These 10 Companies Are Absolutely Enormous Compared To Their Headquarter Countries”のとおり、1998年から2007年までのフィンランド政府の税収の23%はノキアが納めていた、既に落ち目にある2011年でさえフィンランドGDPの20%を生み出している等、フィンランドはノキア頼みの一本足経済となっており、一企業の浮沈が一国経済を大きく左右するといった状況となっている。

0 件のコメント:

コメントを投稿