2012年8月19日日曜日

単純化することで複雑な状況に対応する。

HBR The Magazine, September 2012に掲載された“Simple Rules for a Complex World”によれば、複雑化する状況に対して、戦略を複雑にして対応するのではなく、単純かつ具体的なルール(Simple and specific rules)を作り上げ、共有し、実行することが重要である。


その根拠としては以下のものが挙げられている。

・各種意思決定や活動を会社の目標に連携させやすい。
陳列するジャムの種類に応じた購買率の変化に係る実験によれば、過剰な選択肢を前にして、人は思考停止してしまいやすい。

・それぞれの現場の状況に対応しやすい。
創造性が求められる局面では、効率性よりも環境適応性が重要であり、単純なルールのほうが適している。

・調整が促進される。
組織横断的な議論を通じて目標や意識が統一され、組織的な合意を経た意思決定の判断枠組みとして機能する。

・より良い意思決定ができる。
複雑な意思決定モデルがもたらす、より重要度の低い情報や不確実でよく分からない想定から解放され、重要な事項に集中できるようになる。


では、どのようにして単純なルールをつくるのか。

・戦略的観点からのボトルネック(障害)を具体的に特定し、かつ取り組むべき優先順位を付ける。

・経験に基づく意見よりも歴史に基づくデータを重視する。

・実際にルールに基づいて行動することとなるメンバーにルールを作らせる。

・ルールは具体的でなければならない。

・状況の変化とともに、ルールは見直されなければならない。


つまり、先に紹介したESQi(顧客満足度指数=「大変満足した」回答者数/調査回答者数)とも関連するが、ルールが単純であるほど理解しやすく、また具体的であるほど行動に結びつけやすく、組織内での共有及び実行が容易であるということである。正直、この論文に目新しい点はなく、どこでも耳にするような話だが、常に意識しておく必要がある。

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