2012年8月21日火曜日

大統領(リーダー)に必要な資質

John Ryanの“Is Obama or Romney a better leader? How to judge.”に大統領に必要な5つの資質が掲げられている。組織のリーダーにも通じる部分があると思われる。


1)自己認識
自分の長所短所を把握しているか。初代アメリカ大統領ジョージ・ワシントンはもともとはすぐカッとなり、愚かな言動をする人だったが、そのことを認識し、何年も改善に努め、大統領就任時にはほとんど矯正していたという。

2)ビジョン
組織また人々の行動を引き起こすような、説得的な将来展望を示しているか。フランクリン・ルーズベルト大統領は大恐慌の中、経済成長の促進と生活不安の除去の双方に上手く配慮したニューディール政策を打ち出し、実行した。また、孤立主義からの転換に成功し、世界におけるアメリカの確固たる地位の確立を果たした。

3)チームづくり
(自己認識とも関連するが、)自らの欠点を知り、それを補う人材を周囲に配置しているか。エイブラハム・リンカーン大統領は大統領就任時、優秀な人材も影響力のある人材も周囲におらず、数々の失敗を犯したが、政敵をもチームに加え、幅広い情報、意見の中からより良い判断を下すようになっていったという。

4)失敗から学ぶ。
リーダーシップの核心は判断力にあるが、それは失敗を経て獲得されるものである。重要なのはそこからどれだけのことをいかに早く学ぶことができるかである。ジョージ・ワシントン大統領も独立戦争開戦初期は判断ができなかったり、誤った判断を下していたが、そこから素早く学び、同じ失敗は二度と繰り返さなかったという。

5)(政治という)システムを機能させる。
公共善の促進が政府の仕事だと言われるが、単純に市民の望むものを提供すれば済むものでもなく、議会、マスコミ、利害関係者等様々な主体に目を配る必要があり、それら全体を政治というシステムの中に組み込んで機能させていかなければならない。第二次世界大戦で米軍及び連合国軍を見事指揮したアイゼンハウアー大統領が例として挙げられている。


ということで、リーダーシップのポイントはおおむね押さえられていると思われるが、上記で紹介されているのはマスメディアが登場する前の大統領達であり、これにスピーチ力を加えておく必要があるだろう。ちなみに、ソーシャル・メディア時代への移行は大統領の資質というよりは、どう付き合っていくかという戦略の枠組みで考えるべき問題だろう。

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