2012年12月19日水曜日

トランス・ブランディング

HBR Blog Network ”Maintaining a Unified Brand in a Fragmented World” by Dae Ryun Chang and Don Ryun Changの抄訳。

ブランドマネージャーは、まずます断片化する市場においてどのようにしてブランドを運営し、ソーシャルメディアによって主導権を奪われた顧客へのアプローチをどのようにして取り戻すかを考えなければならない。

例えば、Gapのロゴ変更での失敗と、スターバックスのリブランディングと新しいセイレーンのロゴでの成功との間には、企業が、理念として、またマネジメントシステムとして、「トランス・ブランディング」を巧みに組み込んだかの違いがある。多様化した市場間を上手く結びつけ、効果的に展開していくためには以下の点が重要となる。

1)移行する
変化する市場環境に過度に適応しようとすると、既存の顧客の信頼を失いかねない(急進的にロゴ変更を行って失敗したGapの事例)。だが、企業の顧客、支援者を巻き込んで、時間をかけて統合していくことによりそのブランド再構築の取り組みは成功しやすくなる。一方、スターバックスはセイレーンを使い続けることにより既存顧客にその親しみを感じさせる店舗での体験が変わらないことを伝えるとともに、「Starbucks Coffee」という文字を削除することによりそのビジネスがコーヒー以外にも広がっていくことを伝えている。

2)異なる市場を超越する
詳細にセグメントされた、それぞれの需要に応えるのではなく、市場の差異を超越できるようなアピールを見つけることで、消費者を総体的に捉える取り組みが必要である。PsyのGangnam styleが事例として取り上げられている。

3)変態する
スマートフォンアプリのようなデジタルの領域が新しい戦場となっているが、ブランドの諸要素は動きのある小さい画面で目に付くものである必要がある。DC comicsの動きのあるロゴが紹介されている。

4)透明である
ドミノピザは顧客からの不満、品質上の問題を公開し、議論し、それをどのようにして乗り越えていくかというキャンペーンを行い、注目を集めた。ブランドの透明性は真摯に顧客からの不満に対応する際に重要となる。なぜなら不満を放置されたとき、それらはソーシャルネットワーク上で急速に拡散していくからである。企業はブランディングに影響を及ぼす他の要因(信頼、神秘性、物語性、驚き)との間で最適なバランスの中で透明性を追求していく必要がある。

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