2012年12月24日月曜日

イノベーションを阻害する、リーダーの行為

"The Innovator's Straitjacket" by Scott Anthony (HBR Blog Network)の抄訳。


18世紀、フランスで拘束衣が発明された。精神障がい者が自傷行為に及ぶのを防ぐためのものであったが、一方でその人から様々な可能性を奪ってしまうという側面がある。そして、同様のかたちで、リーダーがイノベーションを阻害してしまうことがある。

1.現在の実力をベースに物事を考え、限界を設けてしまう。
マーク・ザッカーバーグがそんなことを考えていたら、フェイスブックは生まれていなかっただろう。

2.カニバリゼーションを恐れて、腰が引けてしまう。
確かにアップルのiPadはノートブックやラップトップの売り上げをいくらか食ってしまったが、それ以上にタブレットという新市場を拡大させ、マイナス面を補って余りある価値を生み出している。

3.粗利益率が低下することを恐れて、立ち止まってしまう。
粗利益率を基準にして新しいアイデアの良し悪しを判断すると、将来的にはより魅力的なキャッシュフローを生み出す可能性を持った、ビジネスチャンスを見逃してしまう。30%の粗利益率を誇っていた新聞各社は、利益率の観点からオンラインモデルを軽視していたが、適切なビジネスモデルの構築により、しっかり利益が生み出されている。

4.ブランド足かせとなってしまう。
ブランドが損なわれるという理由で良さそうに見えるアイデアも捨てられてしまう。

5.現状のチャネルという罠にかかってしまう。
合理的な人間であれば、より確実に、そしてより多くの利益を生み出す(既存)事業を優先してしまう。破壊的成長を成し遂げたければ、新しいチャネルを考えないといけない。

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