2012年9月20日木曜日

続・消費者にシンプルに伝える

前回紹介した”What Do Customers Really Want?”の続編、Karen Freeman, Patrick Spenner と Anna Bird の“If Customers Ask for More Choice, Don’t Listen”では、Barry Schwartzの”The Paradox of Choice”を引用しつつ、消費者は多くの選択肢を持つことにより、何かを選択することで他の選択肢を失う代償を恐れ、そしてそれが不安、分析麻痺、後悔を引き起こすとしている。


だが、全世界7,000人の消費者調査では解釈が必要な結果が出ている。ほとんどの回答者は「丁度良い量の情報」、「丁度良い数の選択肢」を持っていると回答している一方、多くの消費者が実際には迷いながら意思決定し、その後もその行動を振り返ったり、後悔したりしている。つまり、この記事の表題のとおり、消費者には言行不一致が見られ、言うとおりに情報を提供し続けると、購買に係る消費者の意思決定を妨げ、販売のチャンスを逃すこととなる。


ということで、記事では消費者に提供する選択肢を上手に絞り込むという解決策が一例として示されている訳であるが、もう一つ解決策はあると思われる。全体としての選択肢の数はそのままに、ポートフォリオを上手く調整し、異なるタイプの消費者にそのうちの一部がクローズアップして届くように上手く誘導すればいい。ただ、実際のところ、多くの企業がこのように行動し、失敗しているからこそシンプルに提示することが求められているのであろう。

また、ここまでの話はあくまでその企業がコントロールできる自社のポートフォリオの話であり、他社も含めた選択肢を考えると、どうなるか。。。玄人しか理解できないような中度半端な差別化では意味はなく、消費者が認識できる程度・形での差別化、そしてそれをシンプルに訴えることが重要であることがわかる。○×○ピクセルのモニターとかではなく、「あー、他よりきれいな画面。」というレベルである。

0 件のコメント:

コメントを投稿